法人を設立して迎える1期目の決算。「税理士に頼むべき?」「自分でできる?」「費用はいくらかかる?」——設立したばかりの小規模法人にとって、これは避けて通れない悩みです。
結論からお伝えすると、私は1期目の決算・法人税申告を税理士に依頼せず、自分で完了させました。使ったのはマネーフォワード クラウド会計と、AIアシスタント(Claude)です。この記事では、税理士費用の相場、自分でやる場合の作業内容、そして「自分でやるか・依頼するか」の判断基準を、実体験ベースでお伝えします。
※本記事は一般的な情報の共有であり、個別の税務判断については税務署や税理士にご確認ください。
税理士費用の相場はいくら?
まず、法人が税理士に依頼した場合の費用の目安を整理します。契約形態は大きく「顧問契約」と「決算のみのスポット依頼」の2つです。
| 契約形態 | 費用の目安(小規模法人) | 内容 |
|---|---|---|
| 顧問契約(月額) | 月1万〜3万円程度 | 毎月の記帳チェック・税務相談 |
| 決算・申告料(顧問契約あり) | 10万〜20万円程度 | 顧問料とは別に決算時に発生 |
| 決算のみスポット依頼 | 10万〜20万円程度 | 決算書・申告書の作成のみを単発依頼 |
| 記帳代行 | 月5千〜1万円程度 | 仕訳入力の代行(オプション) |
顧問契約を結ぶと、年間で30万〜50万円程度かかるのが一般的です。売上がまだ少ない設立1期目の法人にとって、これはかなり重い固定費です。家賃収入が月数万円の不動産賃貸法人なら、利益が税理士費用で消えてしまいかねません。
1期目を自分でやると決めた理由
私が自分でやると決めた理由は3つあります。
- 取引数が少なかった:1期目は物件購入と家賃収入が中心で、仕訳の量が限られていた
- 会計ソフトが優秀だった:マネーフォワード クラウド会計が銀行口座と連携し、仕訳の大半を自動化できた
- 費用を抑えたかった:設立初年度から年30万円超の固定費は避けたかった
特に不動産賃貸業は、毎月の取引パターンが「家賃入金・管理費・ローン返済・水道光熱費」などに固定化されやすく、一度仕訳のルールを作れば繰り返し適用できるのが自力決算に向いている点です。
法人決算・申告で実際にやること
「決算を自分でやる」と言っても、具体的に何をするのか。大まかな流れは次のとおりです。
- 日々の記帳:取引を会計ソフトに入力(銀行連携でほぼ自動化)
- 決算整理仕訳:減価償却費の計上、未払金・前払費用の整理など
- 決算書の作成:貸借対照表・損益計算書など(会計ソフトが自動生成)
- 法人税申告書の作成:別表と呼ばれる書類一式の作成(ここが最難関)
- 地方税の申告:都道府県・市区町村への法人住民税・事業税の申告
- 納付:法人税・地方法人税・法人住民税(均等割)などの納付
①〜③はマネーフォワード クラウドがほぼ自動でやってくれます。問題は④の法人税申告書(別表)です。別表一・別表四・別表五など独特の書式があり、初見では正直かなり難解です。赤字でも法人住民税の均等割(年7万円程度)は納付が必要という点も、見落としやすいポイントです。
AI(Claude)に決算作業を手伝ってもらった話
ここがこの記事で一番お伝えしたい部分です。私は1期目の決算作業を、AIアシスタントのClaudeに手伝ってもらいながら進めました。具体的には次のような使い方です。
- 仕訳の相談:「物件購入時の登記費用はどの勘定科目?」といった疑問をその場で解決
- 決算整理のチェックリスト化:決算までにやるべき作業を洗い出してもらう
- 別表の書き方の理解:法人税申告書の各欄が何を意味するのか、自分の数字でどう書けばいいのかを解説してもらう
- 数字の突合:決算書と申告書の数字が整合しているかの確認
従来なら「税理士に聞かないと分からない」ことを、AIに聞きながら一つずつ進められたのは大きな変化です。会計ソフト+AIの組み合わせで、小規模法人の1期目決算のハードルは以前よりずっと下がったと実感しています。
ただし注意点もあります。AIの回答は常に正しいとは限らず、最終的な判断と申告の責任は自分にあります。金額の入力ミスや制度の変更もあり得るため、税務署の記載例や国税庁のサイトで裏取りをしながら進めることをおすすめします。不安があれば税務署の無料相談も活用できます。
自分でやる?税理士に依頼する?判断基準
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| 取引が少ない(月の仕訳が数十件以下) | 自分で+会計ソフト |
| 赤字または利益が小さい1期目 | 自分で+会計ソフト |
| 消費税の課税事業者・インボイス対応が必要 | 税理士に相談 |
| 従業員が複数いる・取引が複雑 | 税理士に依頼 |
| 融資審査を控えており決算書の信頼性を重視 | 税理士に依頼も検討 |
私のように小さな戸建1棟から始めた不動産賃貸法人の1期目なら、「自分で+会計ソフト+AI」で十分対応可能というのが実感です。一方、融資を本格的に受けて規模を拡大するフェーズでは、決算書の信頼性の観点から税理士への依頼を検討する価値があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 会計の知識ゼロでも自分でできますか?
A. 簿記の基礎(借方・貸方の考え方)は最低限必要です。ただ、会計ソフトの自動仕訳とAIのサポートがあれば、学びながら進めることは十分可能です。時間に余裕を持って着手しましょう。
Q. 申告期限はいつですか?
A. 原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内です。1期目は設立準備でバタバタしがちなので、決算月の前から準備を始めるのが安心です。
Q. 赤字なら申告しなくてもいい?
A. いいえ、赤字でも申告は必要です。むしろ青色申告の承認を受けていれば、赤字(欠損金)を翌期以降に繰り越して将来の利益と相殺できるため、確実に申告すべきです。法人住民税の均等割も赤字にかかわらず発生します。
まとめ
法人1期目の決算・申告は、取引が少なければ「マネーフォワード クラウド会計+AI」で自力完了が現実的な選択肢になりました。税理士費用(年30万〜50万円)を節約できた分を、次の物件の資金に回せるのは小規模法人にとって大きなメリットです。
一方で、事業が拡大して取引が複雑になったら、無理せず専門家に頼るのが正解です。「今の自分の規模ならどちらか」で判断してみてください。
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